昔から多くの歌人、俳人が秋に伊良湖岬に訪れ、鷹の渡りを詠んだ。鷹たちは春に南方から日本にやってきて夏に繁殖し、秋に南へ渡る。大昔から自然の摂理に従い行ってきたことだ。しかし、年々サシバやハチクマの数が減り、渡りの時期も春は早く、秋は遅くなってきているという。里山の減少、地球温暖化など考えられる理由は山ほどある。一つ述べることができる原因は、すべて我々人間が開発と称し自然を破壊してきたことにある。
  我々人類は自然との共存を考え、しようとしているのであろうか。開発という行為の犠牲で自然を破壊し温暖化などで初めて取り返しのつかないことをしたことに気がついている。自然や生き物を失うことで心の豊かさをなくしてきているのではないだろうか。
  一人ひとりが自然を気遣い、豊かな心を持つことにより自然との共存を図ることができる。まだ手遅れではない。人類や動物、鳥達、魚達が共に生き、繁栄できる環境を守りたい。
帰路の途中、昼食に寄った鈴木屋さん。
磯まぶしは有名。
5日は早めに切り上げ睡眠を十分に摂ることにした。5日の数からしてほとんどの鷹が既に抜けたかもかも知れない。
6日は昨日と同様に早朝ハチクマの飛翔で始まる。7時半ごろよりサシバが飛び始めるが昨日と比べやはり数が少ないが十分に楽しめる程度の渡りが続いた。予定通り11時に終了し、帰路についた。
上空に舞うサシバを追う。
鷹類の他にもホオジロ、ヒヨドリ、アオバト、ハクセキレイ等が山を超え海に向かって飛ぶ。ヒヨドリの渡りは知っているが、他の鳥たちも海を渡るのであろうか。
ツミ
ノスリ
ミサゴ
ハヤブサ
サシバ、ハチクマの他にもハヤブサ、ミサゴ、ノスリ、ツミが現れる。
サシバ
サシバは九州から南西諸島を経由し、台湾、フィリピンで越冬する。
ハチクマ
ハチクマは九州北部を経由して中国大陸へ渡り、その後マレーシア、インドネシアで越冬する。長旅ができるのは蜂を主食としておりロイヤルゼリーパワーか?
伊良湖ビューホテルの駐車場から東を望む
  日の出と共にはつたちダムの南側の山からハチクマが数十羽の群れで飛び始める。上昇気流はまだ無く、羽ばたきで高度を上げていく。日が昇り始めると上昇気流ができ始め、あちこちに鷹柱ができる。サシバが主体でそのなかに一回り大きいハチクマが1〜2羽混じる場合もある。切れ目無く一日中鷹の渡りが続いた。この日の伊良湖のカウント数は3,000羽を越えた。睡眠不足も忘れ一日中シャッターを切り続けた。
鷹を待つバーダーたち
伊良湖ビューホテル
  2007年10月5日午前1時、2時間の仮眠で伊良湖岬へ向けて大田区の自宅を出発。行程390km、車で約5時間の道のりだ。伊良湖地方の天気は雨のち晴れ。昨日以前は曇りの日が多く、鷹の渡り日和に期待に胸が高鳴る。東名川崎から浜松インターまで高速道路を利用し、浜松インターからは浜名バイパス、42号線経由,、伊良湖ビューホテルの駐車場に概ね予定通りの6時に到着した。既に10名程のバーダーがカメラを東に向けていた。丁度、雨が上がり日の出とともに雲が切れ青空が出てきた。
2007年10月5日〜6日
伊良湖岬秋期鷹の渡り紀行